結核を予防できる酵素が発見されたそうです

結核というと、日本においてはかなり昔に流行った病気という認識の方が多いのではないかと思いますが、現在でも国内で毎年2,000人前後、世界では約150万人が死に至る大変重い病気です。
世界の人口の約3分の1は、結核細菌に感染していると言われ、ほとんどの感染者は症状が出ていませんが、HIVに感染した人々が、それをきっかけに結核を発症して死に至るというのが、HIVによる死因の第1位となるほど、致死性の高い病気なんです。
その結核に対しては多くの治療法、予防法が開発されておりますが、この度新たな予防法として酵素を用いた免疫の仕組みが見つかったそうです。

サウスウェスタン大学医療センターの研究者による研究で、ある酵素が結核菌を検出する方法を特定したとのこと。
その酵素の名前は「サイクリックGMP-AMPシンターゼ」。
(シンターゼとは、物質の合成反応を触媒する酵素のことです)
マウスによる実験では、結核に感染したマウスのうち、この酵素を欠損したマウスは通常のマウスよりもはるかに早く結核を発症したそうで、この酵素を持つマウスは体内で結核菌が発見され自己免疫機能によって結核の発症が抑え込まれていることを示唆しています。
この研究の筆頭研究者であるマイケル·シロ博士は、「この結果に基づいて、我々は「サイクリックGMP-AMPシンターゼ」の活性を調節する治療が、結核に対する新たな治療法へのアプローチであると信じています。したがって、病原体を停止する経路を特定することは極めて重要である」と述べています。

サイクリックGMP-AMPシンターゼが結核菌を検出して、その増殖を阻止する仕組みは、以下の通り。

  1. まず、サイクリックGMP-AMP(cGAMP)と呼ばれる細胞内情報伝達物質が産生される。
  2. 次にこのcGAMPが細胞間をシグナル伝達していく流れが開始される。
  3. 結核菌に対し異物に対抗する反応であるインターフェロンとサイトカインの産生を促す。
  4. 異物を排除する自食作用の活性化を引き起こす。

サイクリックGMP-AMPシンターゼが結核菌を検出する機能を応用することで、結核ワクチンの効果を早期に、より効率的に作用させることが出来る補助薬としても利用できる可能性があるそうなので、早く実用化されることを望みます。
近い将来、多くの人がサイクリックGMP-AMPシンターゼを含む酵素飲料を毎日摂取することで世界から結核を発症してしまう人がいなくなり、結核が本当の意味で過去の病気になる日が早く来るといいですね。

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