様々な酵素:α-アミラーゼ

α-アミラーゼはデンプン、グリコーゲンなどのα-1,4結合をランダムに切断するエンド型の酵素(高分子の内部を分解する酵素)です。
α-アミラーゼはデンプンを液状化、低分子化させる作用を持っていることから「デンプン液化酵素」あるいは「糊精化酵素」とも呼ばれている。
このα-アミラーゼは体内では主に、膵臓、耳下腺(唾液腺)から分泌され、デンプンやグリコーゲン(動物デンプン)をブドウ糖が少量つながった状態にまで分解する。
人の体内に存在するα-アミラーゼには以下のものがある。
唾液腺:アルファ1A アミラーゼ、アルファ1B アミラーゼ、7アルファ1C アミラーゼ
膵臓:アルファ2A アミラーゼ、アルファ2B アミラーゼ
この性質を利用して胃腸薬に消化酵素剤の一成分としてα-アミラーゼが配合され、成分表示欄に「ジアスターゼ」「ビオジアスターゼ」「ジアスメン」などの名称で記載され、胃もたれや胸焼けの治療、防止に服用されている。

アミラーゼの歴史

α-アミラーゼを含むアミラーゼは1833年、フランスの生化学者、アンセルム・ペイアンとジャン・ペルソーが大麦の芽から取り出し、「切り離す」を意味するギリシア語から「ジ(ヂ)アスターゼ」(その後、アミラーゼと改名される)と命名された。
これが酵素の初めての単離である。

日本においては、製薬会社三共の事実上の創業者である高峰譲吉が、麹菌からジアスターゼを抽出し、自身の名の「タカ」を冠してタカジアスターゼと命名した。
高峰のジアスターゼ(アミラーゼ)の抽出成功は、古くから餅を食べるとき大根おろしをつけて食べると胃がもたれないと言う習慣が大きなヒントとなったとも伝えられる。

アミラーゼの利用

アミラーゼは、植物では果実の成熟や穀物の発芽の間に合成され、穀物酒や酢、水あめなどの伝統的な製法ではデンプンの糖化に麦芽に含まれるアミラーゼが用いられる。
現在、工業的に大量に生産されるアミラーゼは微生物の分泌するアミラーゼが用いられ、製糖、食品加工、胃腸薬、衣料製造、洗剤等に利用されています。
アミラーゼを生産する微生物としてはアスペルギルス・オリゼー(ニホンコウジカビ)や枯草菌(真正細菌の一種)が知られている。
膵管閉塞が起こると、アミラーゼの流れが阻害されるため血中アミラーゼの上昇、遅れて血中濃度も増加するほか、膵炎や膵臓がんなど膵臓の病気でも変化が起こるため、これらの疾患の指標として利用される。

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