「酵素」の性質とは

酵素は自然界に数千種類も存在するといわれ、人の体内だげでも約3000種類の酵素が存在すると考えられています。
ひとつの酵素は、ごくごく狭い範囲のなかでしか仕事をせず、各々が専門分野の仕事を身につけています。
そして、他の分野の仕事にはいっさい手を出さないという、人間でいえば、まるで専門職人のようなガンコな一面があります。

そのため、さまざまな生命活動をおこなうには3000種類もの酵素が必要となるのです。
たとえば、体のなかでタンパク質を分解する役目のペプシンは、ひたすらその作業のみを続けます。
「脂肪も入ってきたから、ついでに分解しよう」という行動は絶対にしません。

そのため、ある仕事をおこなう酵素が一種類欠乏しただけでも、生命活動に重大な支障をきたしてしまう恐れがあります。
難病といわれる病気のなかには「酵素欠損」が原因とされるものも多くあります。

いっぽう、酵素にはデリケートな面もあります。
それは気に入らない環境では仕事をしなくなるということです。

温度が摂氏37~39度、中性に近いpH6~7あたり、これが、酵素にとって絶好の環境です。
いうなれば、少し身体が温まっているときに酵素がよく働くということです。
逆にいえば、悪条件のなかでは、酵素の働きは弱くなるか、失われてしまいます。

もっとも重要なのは、摂氏48度以上の温度環境になると、酵素はいっさい活動しなくなるばかりでなく、「酵素」とはいえなくなる点です。
いっぽう、温度が低くなっていっても、酵素の働きは弱くなっていきますが、失われることはありません。

先のハウエル博士は、酵素がもつこの独特な性質から「酵素とはタンパク質の外殻に覆われた生命体である」と仮定しました。
「酵素=生命体」と仮定したことで、彼が研究し続けてきた「酵素栄養学」が確立したわけです。

本来は「酵素=タンパク質(=無機物質)」、これが一般的な定義です。
しかし、博士が提唱するように「酵素=生命体」と仮定したほうが、酵素による消化活動、代謝活動などのメカニズムを解き明かしやすく、だれにも納得のいく説明になります。
ですから、本サイトのなかでも、私は博士と同様「生きた酵素」「酵素が死んでしまう」などという表現を用いています。

それは「酵素が体内で活動するか、しないか」という意味です。
酵素も、私たち人間と同じような生き物であるかのように表現することで、生命の神秘的ともいえるメカニズムをよりリアルに伝えることができるのではないかと考えますし、それこそ真実であるとも思いますので、あえて「生きた酵素」 「死んだ酵素」という表現を用いました。

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