なぜ「生食」と「加熱食」を併用すべきなのか

生野菜、果物に生きた酵素が入っており、なおかつ栄養価も高いのであれば、いっそのこと生食だけの食事をすすめてもよいはずです。
しかし、私はそのようなメニューはすすめていません。その理由はつぎのとおりです。

①生食だけでは、ストレスが出現する
極端に限定した食事を続けていると「ストレス(これも消化不良の原因となります)」を生じる原因になります。
最初のうちは、病気を治したい、健康になりたい一心から生食だけのメニューを懸命に続けますが、あまりにも長く続くと、それはつらさに変わります。
それゆえ私は、生食フアスティング(断食)は、せいぜい一週間弱の期間にとどめることが多いのです。
健康になるため、病気を治癒するためにおこなっていることが、ストレスの原因となってしまっては本末転倒です。
そこで、できるだけ無理なく続けられるように加熱調理食もメニューに加えるのです。

②生野菜、果物の栄養価低下
今の野菜や果物には、ビタミンC、鉄分、カルシウムといった栄養素が極端に減少しています。
なぜなら世界中の畑の質が変わってきたからです。
土壌の変化、水質の悪化、空気の変化、日照の変化など、近年の環境破壊による影響もあるのでしょうが、昔とは比較にならないほど、野菜、果物の栄養素が減っています。

そして、野菜や果物に含まれる酵素の量は、こういった栄養素の量に比例すると考えられています。
つまり、現代の生野菜や果物は、酵素の量が少なくなってきているのです。
ですから、私は「生野菜、果物だけの食生活では、人は栄養学的に満たされない、免疫力もつきにくい」と考えます。
そこで肉類、魚類、卵などを、適宜食事に加えることで免疫力アップを図ります。
ただしそうはいっても、生野菜と果物が大いに必要であることはいうまでもありません。
また、完全な生野菜や果物のみという食生活では、ビタミンB12やアミノ酸、よい脂質などの摂取がきわめて不足してしまうことも問題です。

③煮たほうが栄養価は高い
加熱調理をしたほうが、栄養価が上昇し消化によい食品もあります。
たとえば、ダイコンやシイタケなどは、生よりも干したもののほうが繊維もミネラルも豊富です。
干しシイタケを煮たもの、切り干しダイコンを煮たもの・・・こういったメニューには大切な栄養素が大量に含まれています。
生シイタケに比べると干しシイタケのほうが、カルシウム、タンパク質の量がともに10倍も高いというデータもあります。
ニンジンにしても妙めたり茄でたりしたほうが、栄養が吸収しやすくなります。
また、生のままでは細胞が破壊されていないので、細胞内の栄養が摂れず、かえって栄養不足となり、免疫力低下につながる恐れも出てきます。
煮野菜にすると、細胞が破壊され、内部の栄養が吸収しやすくなるということと、食べやすく消化もよく、濃厚に栄養が摂れるという利点があります。
加熱することで酵素は死んでしまいますが、生の野菜や果物と併用してバランスよく食べれば、栄養面からも、消化面からも正しい食事ということになります。
ただし、私の経験では、生食をやや多めに摂ったほうがよいようです。

④生食だけの食生活では、病気になってしまう
人聞が生食だけの食生活を送ると、ホモシスラインという物質が身体に増えてしまい、心疾患を引き起こしゃすいことが知られています。

無理をしないメニューで、長期間続けられることが健康法には大切な要素です。
そのためには「果物、生野菜を50パーセント(あるいは60パーセント)」「加熱調理した料理(野菜、キノコ、豆、イモ類中心。肉、魚、卵類は少量)を50パーセント(あるいは40パーセント)」というバランスが、私の経験上、いちばん身体にやさしい食事だと考えます。
朝食は少量の果物や生野菜のみ、昼食、夕食は、このバランスのメニュー、これが、私の提唱する健康のための食生活です。

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