油脂は摂らないほうがよいのか

「油を摂りすぎるのはよくない」とよくいわれます。
健康のために油脂はできるだけ摂らないほうがいいのか・・・・というと、そうではありません。

脂肪も大事な栄養素のひとつです。

北極圏で生活するイヌイットに、心臓や血管系の疾患が少ないのは、彼らがサバやイワシなどの青魚やアザラシの肉などを、生で食べているからだということが、最近わかってきました。
青魚やアザラシの肉には、血をサラサラにする効果の高いα-リノレン酸が多く含まれた油脂が存在します。
ほかにもDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)など、人体にとって最高の油脂も大量に含まれています。

このふたつは、どちらも植物プランクトンのなかに含まれる脂質で「不飽和脂肪酸」です。
こちらも血液の浄化にはたいへん有益な物質です。
このような良質の油脂を摂るぶんには、なんの問題もありません。

ところが、日本人のほとんどが、植物油は健康のためによいものだと思っています。
今後はそんな植物油信仰も、幻想にすぎないことを認識しなければなりません。
なぜなら、植物油は全般に非常に酸化しやすい油脂だからです。

さらには、以前まで必須脂肪酸として身体に良いとされていたリノール酸も、摂りすぎると、むしろ身体に悪いということがわかってきました。
研究が進むなかで、α-リノレン酸(血管拡張の役目)とリノール酸(血管収縮の役目)は、ペアになってはじめて効果を発揮することが判明したのです。

つまり、同じぐらいの量を摂取していれば問題がないといえます。
ただし、α-リノレン酸が比率として多く、リノール酸が少なくても問題はないが、その逆は問題であるといわれています。

地球環境の異常から、身体に必要な食物(大豆、米、小麦)ですらリノール酸が多く含まれているため、現代人は、リノール酸過剰の人ばかりといわれます。
しかし、リノール酸の過剰摂取は、子宮筋腫、子宮ガン、乳ガンなどといった女性特有の病気や、脳卒中、動脈硬化、ガン全般といった病気につながっていってしまうため、αl-リノレン酸の多い食物(天然魚、貝、海藻)や油をしっかり摂って、中和する必要があります。

また、酸化した油脂に加えて、マーガリンなど人工的につくられた油脂(トランス型油脂)も、身体に良いとはいえません。
アメリカ・ニューヨーク市では、2006年12月5日に、レストランでのマーガリンの使用を禁止しています。

私がすすめる油は、α-リノレン酸を多く含んだフラックスオイル(亜麻仁油)です。
これは、成分がイヌイットたちの食べている青魚やアザラシの油脂に近いもので、血液をサラサラにするという、生活習慣病予防としてはベストな油といえます。
ただし、加熱せず、サラダに生のままかけるなどして摂る必要があります。

ふつうのスーパーなどには置いていないかもしれませんが、自然食品を扱う店などには必ず置いてあるはずです。

つぎにすすめる油は、キャノーラ油とゴマ油です。
植物油ではあるものの、このふたつの油は、強力な抗酸化作用を有し、熱に強く、さらに良質(オレイン酸が多く、ひじように酸化しにくい)であるため、妙め物や天ぷら、フライなどの調理に向いています。

油脂のもつ利点は、つぎのようなものです。

  1. エネルギー源が1グラム9キロカロリーと最大
  2. 細胞膜の原料となる
  3. ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKを体内で運び、吸収する
  4. コレステロールが胆汁の原料となる
  5. エイコサノイドという局所ホルモンの原料となる
  6. 皮下脂肪となって、体の温熱効果がある
  7. ミエリン(脂肪でできた組織。髄鞘を形成する)の原料となる
  8. 便通をよくする

油は摂りすぎてはいけませんが、絶対に必要な栄養素です。
意識して良質なものを摂取するように心がけましょう。

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